T-CHAT

Vol.17
狭山在住 杉本昌美氏(58歳)

・interviewer・Jamさん

狭山にある株式会社杉本園製茶の社長さん。
様々な所でご活躍。狭山茶へのこだわりと、新しい事への挑戦をされています。

■杉本園製茶について教えてください。

現在、東大和市には製茶工場を持っている販売店は3店舗で、ここはその一つです。杉本家の家系を調べてくださった方がいて、私は17代目ですが、製茶業は父からで私は二代目です。次男は一般大学卒業後、静岡の野菜茶業研究所(旧国立茶業試験所)へ2年間行き、製茶についての知識と技術を習得、今ではしっかり三代目として信頼できる腕を身につけています。手もみに関してはすっかり任せられるほどです。茶摘みの時期には、昔からお世話になっている2人の方に、製造作業の手伝いを頼んでいます。

■東大和紅茶についてお聞かせください。

紅茶作りは、結構手間がかかります。摘んできた葉を乾燥させる(萎凋)方法の多くは、コンテナの中に茶葉を入れ、下から風を送って乾燥させますが、杉本園では自然の太陽の日差しで行なっています。天候によって仕上がりの時間にも影響があるのですが、この方法で行なっているのは杉本園だけだと思います。その後、緑茶を作る時と同じ機械に入れ揉んだ後、木箱に入れ発酵終了後乾燥作業へと進みます。出来上がった紅茶葉を使い、東村山のNPO法人ラ・メール様にクッキー作りをお願いしていますが、香料などの添加物を使用していません。生地は紅茶の色です。ぜひ味わって頂きたいです。 ほうじ茶クッキーもあり、こちらもお勧めです。

■毎年留学生を受け入れて体験活動を行なっていますね。

始めは、長女が青山学院大学時代に留学生と関わっていて、家に案内していたことからです。今では大学での行事として、大型バスで来るようになりました。体験は、茶摘み、工場見学、抹茶体験、手もみ体験を行ないます。留学生の皆さんは、日常の日本語の会話は十分に理解できるのですが、どうしても専門用語になってしまう工場内では説明が難しいので、機械に英語、中国語、韓国語、日本語の説明文を付けています。体験の中でも抹茶体験と手もみ体験は好評ですね。手揉みは途中からの体験ですが、揉んでいくと細い茶葉に変わっていくのが実感できます。
抹茶は近くの茶道の先生と生徒の方にお手伝いをしていただき、たて方を教えてもらい、それをいただく。ここで初めて抹茶に出会った人も多いのではないでしょうか。

■日本茶の需要はいかがですか

東日本大震災後の原発事故による風評被害で、かなりの影響を受けています。それでもずっとお店に来て下さる方には本当に感謝しています。
若い方の日本茶離れもあります。健康に良いですし、淹れ方で本当に美味しくいただけますので、少しずつでも日本茶の良さをお伝えしていければと思っています。