大判プリンター

通常のオフセット印刷では一度にある程度の数量を印刷しないと一枚当たりの単価が非常に高いものになってしまいます。そのため本当に小部数を必要とする場合には印刷をあきらめてしまうか、不経済を覚悟して割高な料金を支払うほかありませんでした。

プリンター出力の場合には一枚いくらで出力代をいただくので一枚だけ、もしくは数枚だけ必要といった場合でもリーズナブルな価格で製作することができます。

表1はA2判片面カラーポスターを1枚だけ印刷したときに必要な工程ごとの費用を表すものです。この中で緑で表示してあるのが枚数に関わらず必要な費用(枚数に関わらず一定の費用)ピンクで表示してあるのが枚数に比例して変化する費用です。

《表1》

方 式 オフセット印刷 大判プリンター
数 量 単 価 金 額 数 量 単 価 金 額
1 76,800 76,800 1 32,450 32,450
内 訳 数 量 単 価 金 額 数 量 単 価 金 額
制作費 1 30,000 30,000 1 30,000 30,000
刷 版 4 4,000 16,000 0 0 0
印刷費 4 5,500 22,000 1 2,450 2,450
用紙代 400 17 6,800 0 0 0
断裁賃 1 2,000 2,000 0 0 0

では同じポスターを2枚印刷したときはどうなるでしょう。その内訳を表2に示します。

《表2》

方 式 オフセット印刷 大判プリンター
数 量 単 価 金 額 数 量 単 価 金 額
2 38,400 76,800 2 17,450 34,900
内 訳 数 量 単 価 金 額 数 量 単 価 金 額
制作費 1 30,000 30,000 1 30,000 30,000
刷 版 4 4,000 16,000 0 0 0
印刷費 4 5,500 22,000 1 2,450 2,450
用紙代 400 17 6,800 0 0 0
断裁賃 1 2,000 2,000 0 0 0

表2をごらんになって不思議に思われる方が多いと思います。それはオフセット印刷の方は枚数に比例して変化するはずの印刷費が変わっていないからです。それに比してプリント出力の方は確かに倍の金額になっています。

実はこれがオフセット印刷とプリント出力の一番の違いなのです。オフセット印刷が小部数印刷に適さない(価格的に)理由もここにあります。

オフセット印刷では小部数を印刷するとき実際に印刷している時間より版を印刷機に取り付け、インキの調整をして刷り出し始めるまでの時間のほうが長くかかってしまいます。そのため「台単価」という考え方をして、最低ロットまでは同一料金をいただくことになっています。

最低ロットは印刷機の大きさにもよりますが2,000枚くらいに設定されていることが多いようです。最低ロット2,000枚までは台計算、一台7,000円という場合には1枚印刷しようが2,000枚印刷しようが印刷代は同じ7,000円ということになります。

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